更新料は侮れない

賃貸物件の宿命として、定期的な「更新料」があります。それらはそこに暮らし続ける限り、契約の切れ目で発生することがほとんどです。それは物件によっても違いますが、おおよそ家賃の一ヶ月分です。

それは賃貸物件であるゆえの宿命でもあります。それらを支払うことで、また物件の契約を延長できるというわけです。二年間の契約なのであれば、実質的な家賃の負担が25ヶ月分になるということです。それらの使途は不明ですが、賃貸物件に「更新料」はほとんどといっていいほどついて回ります。これも契約時に定められているものです。契約時に「更新料はいついつごとにいくら」と定められているのでそれをしっかりと確認した方がいいでしょう。多い例としては二年間か契約期間で、その契約を更新する度に更新料を支払うのです。

実は「更新料」にまつわるトラブルは少なくなく、居住者が大家さんに対して更新料の支払いを拒否したりするケースが発生しています。契約時に更新料が定められているのであれば、入居者は更新料を支払うべきなのですが、どうしても納得できない人もいるようです。その際、大家さんとの関係がすこぶる悪化し、更新後の家賃を上乗せされたりする場合があります。大家さん側からしてみても、収入として当て込んでいた更新料が支払われないということは「売り上げの欠損」になるので、それを補填しようとするのは当たり前なのです。

ただ、この更新料に関して悪質な請求をしてくる大家さんもいます。一年間でなぜか2回も更新料を支払ったりしている場合などがある際は、「それは何の更新なのか」ということを確認した方がいいでしょう。裁判でもそのような「不当な更新料」に対しての係争があったこともあるようです。

ここで誤解したくないのは、更新料はそもそも「法律」で定められている費用ではありません。更新料とは「契約」で決めた費用なのです。契約で定めている以上、それは入居時に「更新時期にはお金を支払います」と決めた約束です。更新料を払わないということは、その約束を破ることと同じです。契約反故になります。ただ、どうしても支払いが厳しい状況であったり、長く暮らしたい、大家さんとも懇意にしているということであったりすれば、交渉の余地はあるかもしれません。ただ、あからさまに「更新料を払いたくない」と言い切るのはよくありません。契約書に書いてあるはずで、それに了承したはずだからです。

物件を貸すということはそれ自体がビジネスですから、貸す側も更新料を含めた収入を計算しているものです。間に不動産仲介業者や管理業者が入っている場合、ほぼ更新料の交渉や家賃の減額交渉はできないと思った方がいいでしょう。多数の物件を扱う事業者では、その手の申し入れは一律の対応をとっているものなのです。ですから、基本は払う必要があるのです。いつ更新料が発生するのかを自分でしっかりと把握しておき、更新料が支払えるような段取りを考えておくべきです。それも含めた「生活費」の設計が大切です。賃貸であれば必ずといっていいほど更新料は発生するものです。それを厭う気持ちもわかるのですが、それに了承して契約したことも事実です。