入居時に必要なこと

新しい住まいに移ることは新しい生活への第一歩でもあるのですが、その実とても疲れるものです。転居の日一日は、忙殺されて終わってしまうことがほとんどでしょう。

荷物の搬入や家具の配置などは引越し業者が行うにしても、その新しい住まいの鍵を受け取ったり、ガス、電気、水道を利用可能な状態にしたり、転居当日はとても雑多なタスクが待っています。新居に入れる時間にもよりますが、一日だけではすべてが片付かない可能性が高いでしょう。転居当日の夜になっても全然片付いておらず、そのまま夜になり、片付いていない部屋で就寝することになるかもしれません。

そのような事態を避けるためには、「いつまでになにをする」ということをあらかじめ決めておく必要があるのです。不動産仲介業者によっては「転居時に必要なこと」の一覧を整理して伝えてくれる場合もあります。それらのタスクリストは一般的な転居の段取りであり、あなた自身の生活に完全には合致しない可能性があります。インターネットの契約状況、衛星放送、ケーブルテレビの契約状況などは、不動産仲介業者では把握できませんし、すべてのケースに対して適切なアドバイスはくれないものです。

また、役所での移転手続きや郵便の転送手続き、通販サイトやその他の各種サービスへの個人情報の登録状況などは、自分自身で確認して行う必要があります。内容によっては特段登録が遅れてしまっても問題ないものもありますから、「プライオリティ」を考えるべきでしょう。どのサービス、どの機関への届出を外してはいけないのかを考えるのです。

それらの手続きは事前にできることもあれば、転居以降にしか行えないこともあります。転居当日は引越し業者に付き添っているものでしょうし、新居での初日、必要なものを買い出したり、不要になった今包材をまとめたりと、いわゆる引越しの段取りで忙殺されていることでしょうから、前後に数日、そのような手続きに費やせる日を用意しておきたいものです。転居が平日になってしまった場合、仕事を休む必要があるでしょうし、休日の場合でももしかすると前後に休暇を取った方がいいかもしれません。

何よりも、入居する際には新居の「鍵」を持っている必要があるのですが、それは家賃が発生する日に受け取ることができます。それが転居当日だった場合、一度不動産仲介業者のもとに足を運ぶ必要が生じるのです。それらのことも加味して転居までの準備事項、転居当日の段取り、その翌日にやることなどを整理しておかなければいけません。ただなんとなく進めているだけでは、重大な見落としがあるかもしれないのです。後々発覚する見落としもあるかもしれません。特に郵便の転送設定などは見落としがちです。届く書類が、個人情報などが込められたものであるのであれば、誰かにそれを取得されてしまう懸念が発生します。その後、それが原因で思わぬトラブルが発生したり、不正に自分の個人情報を利用されてしまったりする可能性があるので、郵便局への届出だけは欠かさないようにしましょう。

ただ荷物を移し、新しい場所で暮らすだけでは「転居」は終わらないのです。必要なことは自分が新しい住所に「移転した」という名実共に成立するような手続きです。