敷金、礼金を確認する

新しく物件を契約するときは、定められている「家賃」以上の出費があります。引越しのための費用などももちろんですが、ただそれだけではありません。敷金、礼金、そして仲介手数料などが発生するのです。

それらは物件によって全然違います。敷金と礼金はとくにオーナーによっても違います。礼金はオーナーに支払うもの、敷金は主に物件の退去時に補修費用として充てられるものです。仲介手数料は不動産仲介業者によってバラバラです。これらの「初期費用」は、実は契約締結まで見えなかったりするものです。不動産仲介業者の看板屋チラシなどでは、敷礼云々と記されていることに加えて、仲介手数料がいくら、とバラバラに書かれているためです。ですから、どうしても額面の家賃を見て物件を選ぶものです。

物件によっては礼金がなかったり、敷金はあらかじめ返金されないことになっていたり、さまざまな条件があります。礼金が家賃の二ヶ月分、敷金が家賃の一ヶ月分、そして仲介手数料が家賃の一ヶ月分であった場合、契約するために必要な費用は家賃の四ヶ月分です。加えて初月の家賃も収めるのであれば、五ヶ月分の家賃に相当する費用を支払うということになるのです。これは基準が「家賃」であるため、家賃が多いほど金額も膨らみます。加えて引越し費用のことも考えなければいけませんから、「転居」は実にお金を必要とするわけです。

これを回避するためには「礼金」のない部屋を探したり、そもそも仲介手数料の少ない業者を見つけたりするほかないのです。敷金の使途としては、原状回復費用で納得できるものの、「礼金」に関しては完全に「入居させていただいてありがとうございます」というなんだかカタチがおかしい費用になります。それがない物件はたくさんありますので、最初の選択時に「礼金」と記されている物件は避けたほうがいいかもしれません。

そのようなことを度外視して物件を探してしまうと、いざ契約時に予算が足りなくなってしまったり、最後の最後で思い直したりするものです。それは不動産仲介業者にとっても、自分にとってもあまり効率の良いことであるとは思えません。ですから最初からなるべく、「初期費用はいくらになるのか」ということを考えておくのがベストでしょう。月々の家賃の支払いと、初期費用、それらを合算して自分の身の丈にあっているのかどうかを考えるべきなのです。

それらの初期費用は契約時に一気に不動産仲介業者に支払います。それらをローンにしたりすることはナンセンスですので、よくよく考えながら物件探しを行うべきでしょう。どう考えても予算が足りない場合や、どう考えても身の丈にあわない契約は締結するべきではありません。生活の根幹になる「住居」の問題ですので、確実に支払える金額で決めるべきなのです。ですから、物件を探す際に「敷金、礼金はいくらか」ということを確認しましょう。それらは部屋の間取り、広さ、家賃、駅からの距離などと含めて記されてあるものです。実際に見て、計算しながら部屋を探すことが大切です。それを度外視すると、契約時の初期費用に驚いてしまうことになるかもしれません。せっかく見つけたいい物件であるのに、それは避けたいのではないでしょうか。