治安は暮らさないとわからない

新しい住居は、本当に治安がいいところなのかどうか、わかりません。日本は安全な国だと言われています。ですが、それは諸外国と比べただけのハナシであって、軽犯罪が多発していたり、迷惑行為が多々あったりするような地域も存在します。

「そこがどんな地域なのか」ということは、ただ物件を内見するだけではわかりません。少しそこに留まったくらいではわからないのです。その地域の実情は、その場所にある程度滞在しなければわかりません。ただ、それでは「実際に暮らすまで治安がわからないのか」ということなります。それは本当の意味ではその通りです。ただ、情報を集めることはその場所にいなくても可能です。

具体的にどうすればいいのかというと、その物件の近隣、できればその地域を管轄している「警察署」のWeb Siteを調べるのです。そのサイトでどこをチェックするのかというと、時系列で通報履歴、警備な事案の発生履歴を開示している箇所があると思います。警察署によって書式は異なりますし、もしかすれば掲載していなWeb Siteもあるかもしれません。住宅地が近い警察署などでは、掲載されていることが通例ですので確認してみましょう。そこに、簡単な住所付きで、時系列に沿って開示されていれば、それがその地域の「危険区域」という判断ができます。

事案が発生する頻度の多い箇所、なんども軽犯罪が発生している住所などがあると思います。その地点を地図で確認し、新居に移ってからの行動範囲に重なっていないかどうか、確認してみると良いでしょう。もしかすると、「広くてキレイだけどやたらと安い。怪しい」と感じていたことの「答え」になることかもしれません。まだ契約していない段階であるのであれば、もっとよく調べてみようということになるかもしれません。昨今では少なくなったのですが、「暴走族の溜まり場」だったなどということがあっては我慢などできる次元ではないでしょう。

また、男性と女性でもその基準は異なるでしょう。男性ではあれば暗い路地が多い地域でも特段気にせず暮らせるものです。ただ、女性となるとそれは「危険な目に合う可能性」が一気に増すのです。犯罪や迷惑行為は「夜」に発生することが多いものです。もし警察署の事案発生履歴で「不安」を感じたのであれば、夜に実地調査に繰り出してもいいほどでしょう。

本当に「治安」というものは暮らしてみないとわからないものです。近くに交番はあるか、消防団の基地はあるか、人通りはどうかなど、ただそれだけでも計れないことがあるのです。交番が近くにあり、人通りが多くてもなぜか「空き巣」が頻発しているということもあるかもしれません。地図を見ただけ、地域の雰囲気だけではわからないものなのです。「リアルな通報」の記録として、警察署に記されている情報が、実は一番信憑性の高いものであるかもしれません。

「暮らす」ということは「安心」できなければいけません。何か起こった際に、駆け込める場所、立てこもれる場所でなければいけません。安心できる住居を探すことが何よりです。多少駅から遠くても、安全である方がいいに決まっています。駅に近い場所はおのずと「人が多い」のです。人が多いことは、直接の安全には繋がらないのです。