残器物とは前の住人が残したもの

新居では、入居時に思わぬ器物が残っていることがあります。その住居に備え付けられていたわけではなく、それは以前住んでいた住人が残していったものというわけです。

それらの器物をそのまま「残器物」と呼ぶことが多いのですが、部屋を照らす蛍光灯など、天井から吊り下げるタイプのものは通常であれば住居にはついていないものです。それは自分で用意する必要があるものですが、新居にすでに備わっていることがあります。それはもしかすると最初の住人からずっと同じものがついていて、誰も持っていかなかったものかもしれません。それらが使用に耐えられるものであるのならば、そのまま使用してもいいかもしれません。

ただ、直接触れることが多かったり、何か飲食に関わったりするような残器物は可能であれば廃棄したいものです。それらの存在があらかじめ、物件を内見した際にわかっていた場合、それらの廃棄は不動産仲介業者に依頼しておくと処理が済んでいるかもしれません。暮らしのためのアイテムの数々は、そのまま廃棄するには少しかさばるようなものが多いのです。部屋を明るくする蛍光灯もそうですし、ちょっとした傘立て、衣類を整理するための家具など、「気軽に捨てられる」ようなものではないのです。入居時には明らかに「不要」である場合には、入居前には廃棄しておいてもらえるよう、不動産仲介業者の担当営業に相談しておきましょう。

また、それは自分が現在の住まいから退去する場合にも発生することが考えられるのです。その部屋に入居するときから存在していたちょっとした器物が、その部屋に備え付けの設備だと思ってそのまま置いておくなどのことがあるかもしれません。それはまた次の住人に受け継がれる残器物なのです。それらの器物は転居の際に持って行ってしまっても問題ないものです。解約時、「これは部屋に備え付けのもの」と定義されなかったものは、自分の持ち物として次の住まいでも繰り越してかまいません。もちろん、不要であればそのままおいておけばいいのです。

その部屋にある器物の類は、新しい入居者のために新調されたものではないということを肝に銘じておきましょう。それまで、「誰かが使っていた」ということです。そして、部屋の消毒の際にも特段清掃はされません。エアコンや浴室など、その住居の設備として成立しているようなものは、部屋をクリーニングする際に併せて清掃されています。別に肌に触れるものではなく、あったらあったで便利なものであるのならばそのままにしておけばいいですし、邪魔であれば処理してもらえばいいのです。ただ、入居後に「これを捨ててください」ということは難しいでしょう。ですから、あらかじめ内見の際にチェックして、いざ契約するとなれば「それをどうするか」ということを考えた方がいいでしょう。

また、だからといってそれまでの住まいにわざとモノを置いたまま去るということはフェアではありません。自分の持ち物はしっかりと次の住居に移しましょう。「置いて行っても良い」というわけではないのです。「もともとあったから」という理由でそこに置かれ続けているだけなので、その点は勘違いしないようにしたいものです。